女性が鏡に映して自分を見るのは、自分の姿を見るためでなく、自分がどんなふうに他人に見られるかを確かめるためだ。
みずから苦しむか、あるいは他人を苦しませるか、そのいずれかなしには恋愛というものは存在しない。
恋の灯りは、時として友情の灰を残す。
『美人哀愁』(びじんあいしゅう)は、1931年(昭和6年)5月29日公開の日本映画である。松竹キネマ製作・配給。監督は小津安二郎。モノクロ、スタンダード、サイレント、158分。 フランスの詩人であるアンリ・ド・レニエの小説『大理石の女』を原作に、それまで喜劇調の作品が多かった小津がリアルな作品を作ろうとして手がけたメロドラマ。小津の全作品の中で最も長い2時間30分超えの作品である。初回興行は帝国館。現存するのは脚本のみで、ネガおよびプリントは失われている。