われわれはまあこの世に間借りしているようなもので、何もむきになることはない。
土台をしっかりしておけば、その時は時間がかかるようでも、あとの死後に入ってからすべて段取りよく進む。
兄弟の多い家族に育った者は、子供のうちから「何でも自分の思った通りにはならないものだ」という悟りを得るようになる。まわりで否応なしにそういう躾をしてくれる。
庄野 潤三(しょうの じゅんぞう、1921年(大正10年)2月9日 - 2009年(平成21年)9月21日)は、日本の小説家。庄野英二の弟。大阪府生まれ。九州大学東洋史学科卒。『愛撫』で認められ、『プールサイド小景』で芥川賞受賞。「第三の新人」の一人と目され、『静物』『タべの雲』など、都市生活者の不安定な日常を、穏やかな描写と叙述で深く彫り上げた作品を多く発表した。晩年は、老夫婦の生活や孫とのふれあいをテーマに連作を書き継いだ。日本芸術院会員。