凡そ小人の常、大なる事を欲して小なる事を怠り、出来難き憂ひて出来易き事を勤めず。
百万石の米といえども粒の大なるにあらず。万町の田を耕すも、そのわざは一鍬ずつの功による。
翁曰世の中に誠の大道は只一筋なり、神といひ儒といひ仏といふ、皆同じく大道に入るべき入り口の名なり。
大事をなさんと欲せば、小なる事をおこたらず勤むべし、小積りて大となればなり。
二宮 尊徳(にのみや そんとく)は、江戸時代後期の経世家、農政家、思想家である。自筆文書では金治郎(きんじろう)と署名している例が多いが、一般には「金次郎」と表記されることが多い。また、諱の「尊徳」は正確には「たかのり」と読むが、「そんとく」という読みで定着している。 経世済民を目指して報徳思想を唱え、報徳仕法と呼ばれる農村復興政策を指導した。